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https //www2.x-feeder.info/minnnano/ これはみんなの住処という部屋だよ ここに来てる人は小学生から中学生が多いよ。ま、気軽にね 管理人 るみ 副管理人 メイト、水樹 来てください、お願いします
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10月23日(木) 班 さん 主催 (27H、82) 本日の予定がまだのようなので立ててみようと思います。 【募集開始】 22 20 【ラウンド開始】 22 30(または16名集合時) 【コース】 ガムラン 【ティ】 レギュラー 【ホール数】 9H OUT 【タイム】 ロング 【色物ルール】 なし 【キャラ限定】 なし 【相手の選択】 日本限定 【グループ名】 まったり 木曜は上級コースの日ということでみんな大嫌い(?)のガムランにしました。 タイムロングではありますが独特のバンカーにつかまるとTUも考えられるのでご注意くださいね~ 苦手な方、初めての方遠慮なくどうぞ♪ 集計を望まない方はお申し付けください┏○ペコリ 結果・コメント 主催者:班 さん 皆さんおつかれさまでした~ ス さん(中の人は…!?w)優勝おめでとうございます!mさん?最後どんまいです>< 何故か奥のピンなのにOBしたのがもう…orz まあ生き別れの妹と再会できて並べたので(負けましたがw)おっけーです♪ そして集計結果です。 ガムランアイランドリゾート レギュラー 9H(OUT) ☆ 日本限定  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ Hole┃①②③④⑤⑥⑦⑧⑨┃ Par┃ 4 4 3 5 3 4 4 4 5┃ ━┳━━━╋━━━━━━━━━╋━━┯━━ 1┃ス . . ┃○○○○○○○◎◎┃-11│2516 2┃素 ┃○◎○◎○-○○○┃-10│2501 3┃彩 ┃○○○◎○○-○◎┃-10│2410 4┃班 ┃○○△★○○○○○┃- 9│2493 5┃少 ┃--○◎○○○○◎┃- 9│2330 6┃ゴ . . ┃○○○◎○□○○○┃- 7│2014 7┃シ . . ┃○○-○○◎-○-┃- 7│1980 8┃N ┃○○○◎○○---┃- 7│1900 9┃ま . . ┃-○○○△○○○-┃- 5│1810 10┃亜 ┃○○○-○○△-○┃- 5│1580 11┃春 ┃○○-○--△○○┃- 4│1590 12┃あ ┃○-○○○□△○△┃- 1│1220 13┃翠 ┃△○-◎△△--△┃+ 1│. 880 14┃ふ ┃-○○△---△□┃+ 2│. 890 -┃ユ ┃△△--△ ┃+ 3│**** -┃! ┃ ┃± 0│**** 一応今回は合っているとは思いますが間違いがあれば訂正をお願いします。 急な告知にもかかわらずどちらも満員になって感激しております!ありがとうございました! エラー&電池切れどんまいです… またよろしくお願いしますね! 優勝者:ス さん みなさんお疲れ様でした~&ありが㌧ このままじゃ 終わるわけない~♪ ってことで必死に頑張りました(*´∀`*)テヘッ mさん最後(つ∀-)ドンマイー 班さん主催乙でした~&★ナイスですw 名前:こくないのだれか さん あ、始まらないなぁーと思ったら私でしたorz こんなことだったら譲っておけばよかった…。申し訳ないです。 名前:ユ さん すいません。。。 電池切れました・・・T T まあ見れた内容じゃないですが・・・ 名前:Na さん スさん優勝おめ~ 6Hまでノーミスでニヤリとしていたらそこから先全部パーw なんとか前列はキープ出来たがこれではな… 班さんアルバおめ&主催お疲れ様~ 名前:こくないのだれか さん おつかれさまでした~ スさんおめ~♪ なんだか呼ばれてるような気がして目が覚めて滑り込みましたが・・・これはひどいw せめて名前を変えておけば・・・!! 班主催乙でした&アルバおめ~♪ 名前:亜 さん お疲れ様でした~ ス様優勝おめでとうございます~ モ(゚∀゚)━ウ( ゚∀)━( ゜)━( )━(` )━ダ(Д` )━メ(´Д`)━ポ(;´Д`)━━━!! の一言ですね・・・ヤラレに戻ります orz 班様(本物)主催ありがとうございました~&ナイス★です 名前:m さん お疲れ様でした~ スさん優勝おめでとう! 班さんアルバおめでとう! 9Hのティーショットでやっちゃいました・・・orz まだまだですねw (あ・・・一応、ウサギの着ぐるみが自分ですw) 班さん、主催お疲れ様でした~ 名前:少 さん お疲れ様でした。ス さん、優勝おめでとうございます。 ノーミススコアGJです。 落ちてしまった2方、どんまいです。 出遅れがそのまま響きましたね~。でも後半は調子良かったです♪ 班さん、アルバおめ&主催乙でしたー。 名前:彩 さん お疲れ様でした~~ スさん優勝おめでとう~♪ お姉ちゃんアルバおめで㌧www 最後一緒に並べたね~♪(○´Д)人(Д`○)ネ-w 主催もお疲れ様でした~★-(ゝ∀・` Thank You!´ゝ∀・)-☆ 名前:あ(Ak) さん おつかれさまでした~ スさん優勝おめ~、ノーミススコアお見事です! 班さんアルバおめ~! 今日は木に邪魔されまくりで散々でした… 7Hでは塔にまともに直撃するし。・゚・(ノД`)・゚・。 班さん主催乙でした、有難う。 大会写真
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みんなのATMの成績 成績 成績 雀力はともかく威勢だけはいい。 おい、この ATM 引き出せないぞ?
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みんなのうらみ 通常罠 自分フィールド上に表側攻撃表示の「トンベリ」が存在する時、発動する事ができる。 自分フィールド上のモンスターが破壊された時、相手のライフポイントを半分にする。 Part13-710 名前 コメント
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TOP>東方紅魔郷 東方紅魔郷/稼ぎのコツ 東方紅魔郷/稼ぎのコツスコアが増える基本事項 スコアが増える基本事項 敵を撃つ(撃ち込み点、撃破点) 勝手に増えてるので無視してよい。 グレイズ 1グレイズで500点。 ボム中にカスると、基本点は入るがカウントはされない。 ただし、ボムが終わってしばらくの間無敵時間になり、この間はカウントもされる。 被弾時も無敵時間が結構長いので大量にカスれる。 ☆の価値が大きく上がるので、ステージ序盤は非常に価値が高くなる。 例えばNormalでそれ以降2000☆出現し、ステージ全体で100点取れるとすると、 1グレイズ500+6667+1000で約8167点になる。 道中、中ボスでは場合によってはショットをやめてアイテムを犠牲にしてもカスっていこう。 逆に言うとボス戦の最後のほうでカスってもあまり意味が無い。 ボーナスアイテム☆ ボスの形態変化時、ボム使用時などに出現する。 グレイズ/3*10+500点(ただしボム時は100点固定)と以降のゲームと比べ破格のボーナス。 下の弾消しボーナスと合わせて、最重要項目その2。 弾消しボーナス 中ボス撃破時、スペルカード終了時などに画面内の弾数に応じてボーナスが入る。 レーザーは加算されない。 弾1個当たりのボーナスは弾が増えるにつれて上がり、 多いときには1回のボーナスで100万↑になる。 同時に☆も稼げるので、理論上はタイムボーナスより優先したほうが良いことが多い。 Pアイテム 非フルパワー時は10点だが、フルパワーになってからノーミスで取っていくと51200点まで上昇する。 点アイテム 上部回収成功時に最高得点になる。 最高点はEasy10万、Normal10万、Hard15万、Lunatic20万、Extra30万。 さらにクリアボーナスは点カウントが乗算されるので実際の価値はこれ+数万程度(Extraの場合は数十万)になる。 最重要項目。 場合によっては残機潰しでボムを補充してでも回収していこう。 スペルカードボーナス 耐久スペル以外は時間経過で減少する。 ステージが進むにつれボーナスは数十万から数百万程度まで上昇する。 まずはこれを安定させよう。 クリアボーナス ステージごとに集計される。 クリア1~Exまで、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000 パワー*100 グレイズ*10 *点アイテムの個数 オール時のみ 残機*300万 残ボム*100万 難易度補正Easy*0.5 Normal*1 Hard*1.2 Lunatic*1.5 Extra*2 1機=3ボムなので残ボム0でミスってもクリアボーナスは変わらない。
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【検索用 みんなのなつやすみ 登録タグ CD CDみ RetaCD ShuCD ZEROKUCD rukakuCD ど~ぱみんCD 春望かなめCD 桜餅ルナCD 藤墅。CD 袖野あらわCD 音無あふCD】 + 目次 目次 CD紹介 曲目 リンク コメント 前作 本作 次作 入学説明会~ようこそ、ボカ学へ!~ みんなの夏休み! 唐紅の京都遠足 Shu 音無あふ rukaku 藤墅。 袖野あらわ 桜餅ルナ Reta ど~ぱみん ZEROKU 発売:2022年07月03日 価格:¥2000(税込) 流通:即売 サークル:私立ボカロP学園初等部 CD紹介 CD名:『みんなの夏休み!』(みんなのなつやすみ) ボカ学2ndコンピレーションアルバム!テーマは「夏休みの絵日記」一足先の思い出をお届けします。(ニコニコ動画より転載) マスタリングはど~ぱみん氏が、イラストは藤墅。氏が、クロスフェードは春望かなめ氏が手掛ける。 2022年7月3日に開催されたTHE VOC@LOID 超M@STER 47にて頒布された。 曲目 せんこうはなび/桜餅ルナ ビターエンド/音無あふ タイムカプセル(short ver.)/Reta ウニになりたい!/rukaku キズアリガール/Shu アマネセル/ど~ぱみん 「また会うときまで隠れていて。」/藤墅。 水死体/ど~ぱみん 藍にひがん/ZEROKU ナチュラルの嘘/Shu×袖野あらわ×rukaku×音無あふ リンク 私立ボカロP学園初等部公式Twitter 私立ボカロP学園初等部公式HP コメント 名前 コメント
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みんなのうた ◆RVPB6Jwg7w * * * ひとりじゃ、ないから。 * * * 【Aパート】 向井拓海の場合 ザッ。 足音も高くダイナーの外に踏み出した向井拓海は、まず最初の一歩として、外からの観察を始めた。 ゆっくり大股に軽トラックに近づき、まずは窓から運転席を覗き込む。 「鍵は……やっぱかかってやがるか。中に閉じ込めてる訳でもなし。 昔の仲間にゃ、こういうの得意なヤツも居たけどなァ……。 まあ、家探しから始めるっきゃねぇか」 錠前破りなどのスキルにも、鍵なしでエンジンをかけるような裏ワザにも縁がない。 ひょっとしたらできたかもしれない知り合いも、この場には居ない。 やはり、ダイナーの中のどこかにあると見て、鍵を探すしかないか。 とにかくまずはエンジンがかかるかどうか、確認しなくては話が始まらない。 「それと……少し、傾いてやがるな」 そして少し身を離すと、地面に膝をついてタイヤを検分する。 ……なるほど、左前輪だけが、ぺちゃり、と潰れている。 パンクだ。 釘でも踏んだのだろうか、見事に空気が抜けきっている。 「ま、放置されてた理由がコレだけだったなら、むしろ何とかなる方か……。 スペアタイヤも積まれてるはずだし、ジャッキで上げて、交換すれば…… いや、道具も車に積んであるのか……?」 拓海は立ち上がる。 まずは車の鍵。できれば工具も。コレらを見つけるのが先決だ。 身を翻して、店舗の前を大回りして、ダイナーの中に駆け込む。 派手に入口のベルが鳴る。 * * * 「おう、紗枝はどこいった? ……って、ナニやってんだよ」 扉を開くと同時に声を挙げた向井拓海は、そして店内の光景に眉を寄せる。 ボックス席のテーブルの上に横たわる痛々しい松永涼と―― その服をはだけ、胸のあたり、なかなかデリケートなあたりに手を突っ込んでいる、白坂小梅の姿。 いや、分かる。 ナニやってんだ、とは言ったものの、すぐに分かる。 汗を拭いているのだ。 綺麗なタオルを使って、傍目にも汗だらけだった涼の身体を、拭いているのだ。 しかしこの構図は……その、なんというか……誤解するなというのが無理ってものだろう。 思わず赤面しかけた拓海に対し、小梅はうっすらと上気した顔を上げ、奥の方を指さす。 「さ、紗枝さんなら、そっちに……」 「おや、拓海はん、お早いお帰りどすなぁ。ダメやったん?」 ちょうどタイミングよく顔を覗かせたのは、小早川紗枝。 彼女が出てきたのは、キッチンの奥、客席側からもチラリと見える、地味な印象の扉。 「車の鍵がなくってな。コッチにねぇかって探しにきたんだが。 ついでに、車弄りの工具もあると有難てぇ。どうもパンクしてるっぽいんでよ」 「それやったら、この奥と違います? 2階はお部屋になってましたえ。 もしあるんやとしたら、そこくらいやろね」 それだ。 拓海は軽く礼を言うと、道を開ける紗枝を掠めるようにして奥に飛び込み、そこにあった急な階段を駆け上がる。 2階に上がると、そこは独身向けのワンルームのような印象の居住スペース。 これなら期待できる。 拓海は軽くジャージの袖を腕まくりすると、家探しを開始した。 * * * 車の鍵は早々に見つかった。 目につきやすい所に置かれた小さな陶器の皿に、腕時計や小銭、印鑑などと一緒に放り込まれていた。 どうやらこの部屋の住人は、防犯性よりも日々の利便性を重視していたらしい。 工具箱の方は、少し手間取った。 収納スペースを片っ端から開けて、それらしいものを探していく。 「あ、あのぅ……」 「おう、どうした?」 途中、階段を登ってきた小梅がおずおずと声をかけてきた。 振り返りもせずに、声だけで応える。 「あの、その、ボール、こっちにありませんでしたか……?」 「ボール?」 「や、野球のボールでも、ゴムボールでも、なんでもいいんで……弾力があって、小さいのがあれば……」 「それなら、確かテニスのがこの辺に……」 何に使うのだろう? 拓海には見当もつかなかったが、そういえばテニスラケットなら視界の片隅に見た覚えがある。 部屋の持ち主の趣味だったのか、果たしてすぐにテニス用品一式が見つかる。ボールもちゃんとあった。 「ほれっ。これでいいかい?」 「あ、ありがとうございます!」 軽く1個放ってやると、受け取った小梅はパァッと顔を輝かせて、そのまま階下へと駆け下りていく。 どうやら役に立てたらしい。 思わず笑顔になった拓海は、そして次の瞬間、苦笑じみた溜息を吐いた。 「なんでぇ。ここにあるじゃねぇか。 こりゃ小梅のお陰だな。感謝しねぇと」 テニス用シューズの箱をどけて、どっしりと重たい金属の箱を引っ張り出す。 中身を確認して、軽く握りこぶし。 レンチから何から、一通り揃っている。 そう、拓海が探していた工具一式は、テニス用品一式の下に隠れていたのだ。 ちょっとした心理的な死角。 今のような偶然でもなければ、見つけるまでにもっと時間がかかっていただろう。 小梅のもたらした偶然に感謝しつつ、がっしと抱えて、階下に駆け下りる。 「あ、駐車場に出はるんやったら、そっちの扉使いィ。その方が近いんちゃう?」 「おっ、すまねぇな。よいしょっと!」 玄関口に行きかけたところで、キッチンで何やら調理しているらしい紗枝に声をかけられる。 指す方を見れば、鉄の扉。 肩で押し開けるようにして出てみれば、そこは店の裏手の駐車場。裏口であったらしい。 なるほど、確かにコッチの方が近い。店の前をグルリと回る必要がない。 「みんな、やることやってんだ……頼むぜ、エンジンかかってくれよ……!」 拓海はらしくもない祈りの言葉をつぶやきながら、工具箱を置いて鍵を取り出した。 * * * 結果から言うと、エンジンは見事にかかった。 この段階で故障しているようだと、彼女の手持ちの技術ではどうにもならない。 「ガソリンの残量が少ねぇのが心配だが……まあ、病院までは持つだろ」 残念ながら、ガソリンメーターの表示はレッドゾーンぎりぎり。 とはいえ、こういうメーター類は、多少の余裕をもって表示するのが常というもの。 この辺はバイクと変わりないはずだ。 無駄遣いさえしなければ、たぶん病院までは、持つ。 ちゃんとかかることだけを確認すると、すぐにエンジンを停止させる。浪費はできない。 それよりも、一刻も早いタイヤ交換だ。 まずは車のあちこちから、必要な道具を集めて来る。 車載のジャッキは、助手席のシートの中にあった。工具の所になかったから、実は少し不安だったのだ。 スペアタイヤは、荷台の下。やや取り出すのに手間取る。 必要な道具を並べて、さっそくジャッキアップを始める。 「昔のアタシなら――デビュー前のアタシなら、できなかったな」 手際よくボルトを外していきながら、口の中でつぶやく。 脳裏に浮かぶのは、この場に呼ばれていない1人のアイドル。 原田美世。 バイク乗りである拓海が、その趣味の繋がりもあって得た親友の1人だ。 可愛い顔して機械弄りが大好きな変わり者で、車やバイクを扱う腕前はプロの整備士並み。 いや、あれはちゃんと資格も取っていたのだろうか? ともあれ、拓海も自分の愛車の面倒を見て貰ったことがある。 遊びにいったついでに、ちょっと気まぐれに作業を手伝ったことも何度かあって…… だから。 「美世んお陰だな、こりゃ……!」 だから、拓海自身は自動車の免許を持っていないにも関わらず、タイヤ交換をした経験なら、ある。 スペアタイヤやジャッキの積まれている位置も、雑談の中ででサラッと聞いていた話だ。 あの頃には、こんな風に役に立つことがあるとは思っていなかったけれど。 「そう、アタシらは1人じゃねェんだ! 絆ってもんがあるんだ! だから――絶対、負けねぇぞっ! こんな、『最後の1人』を目指せなんていう、クソッタレなイベントにはよっ!」 パンクしていたタイヤが外れる。素早くスペアタイヤをはめこみ、ボルトを締め始める。 ここまでスピーディに作業ができるのも、過去にアイドルとして結んだ絆の力。 ならば。 仲間を1人だって見捨ててなるものか。 絆を捨てろ、絆を断ち切れ、最後の1人になれ、などとささやく悪魔など―― 渾身の力でもって、殴り飛ばしてやる。 心の中で改めて誓いつつ、彼女は今は、ただひたすらにタイヤと格闘する。 * * * 「……よしっ!」 素早く、しかし確実に。 スペアタイヤとの交換を終えた拓海は、逸る心を押さえて、運転席に飛び乗る。 エンジンをかけて、ハンドルに手をかけ…… 「……ここを、こう、か? うおっ!?」 まずはゆっくりと1人で、軽トラックを発進させる。 タイヤ交換を終えただけでは安心できない。不具合のチェックと練習を兼ねた、テスト走行だ。 これで問題が生じるようなら、また最初からやり直しになる。 原田美世からの耳学問と、むしろゲームセンターで培った運転技術。 乗り慣れたバイクとの感覚の違いに、少し混乱する。 おっかなびっくり、低速で駐車場を軽く一周して……何事もなく、元の位置に帰り着く。 ギアをパーキングにいれ、エンジンを止めて、ほっと一息。 バイクに初めて乗った時の緊張も、こんなものだっただろうか。 「とりあえず何とかなりそうだな……! さぁてっ!」 自分が受け持ったミッションは、見事にクリアした。 あとは慌てず騒がず丁寧に、怪我人を病院まで運ぶだけ。 他の2人はちゃんと自分の仕事をしているだろうか。 涼の体調は大丈夫だろうか。 一段落ついて、ようやく拓海も彼女たちのことが気になってくる。 軽トラックから飛び降りて、さっき出てきた裏口へ。 キッチンを通って、涼たちが待つはずの客席の方に踏み込んで、 「……って、おい、今度こそ本当に……ナニ、やってんだよ」 そこにあった光景に、今度こそ向井拓海は、絶句した。 拓海の言葉にヒョイと顔を出してきた小早川紗枝も、その光景を前に、思わず黙り込んだ。 * * * 【Bパート】 小早川紗枝の場合 まず最初に彼女が行ったのは、家探しだった。 「こっちは……2階どすか」 昼食の準備を担当することになった小早川紗枝は、キッチン奥の扉の1つを開いて首を傾げる。 食材ならば店のキッチンにもあるが、一通り備蓄分なども調べておきたい、というのが1つ。 さらに、まさかとは思うが、この店のどこかに誰かが潜んでいないとも限らない。 早めに一通り調べておくに限る。 キッチンの片隅で綺麗なタオルを物色している白坂小梅に一声かけると、紗枝は軽やかに階段を登った。 そうして登った、2階の空間は―― どうやら、この店の主がささやかな生活を営む、居住空間となっているようだった。 ガランとした印象さえ受けるワンルーム風の部屋に、簡単なキッチンとユニットバス。 本来ならあったはずの窓は、ダイナーの大きな看板に塞がれて、ちょっとばかし埃臭い。 「誰もおらへん……よ、ね?」 クローゼットと呼ぶべきか押入れと呼ぶべきか迷う収納スペースを開けながら、小首を傾げる。 自己犠牲精神を発揮したつもりはなかったが、もし仮に殺し合いに積極的な人物が隠れていたなら…… 真っ先に襲われるのは、紗枝になってしまう。 包丁の一本でも階下から持ってきておくんだったかな、と物騒なことを考えながら、一通りの確認を終える。 「で、こっちのキッチンは、と……見るからに、あかんどすなぁ」 全体を見回し安全を確信した後、紗枝が視線を向けたのは片隅のキッチン。 いや、これをキッチンと呼んでいいものかどうか。流し台に毛が生えた程度の代物。 いちおう冷蔵庫もあって、いちおう小さな包丁とまな板も置いてあるが…… 「……中身、ビールだけとか……ほんまに……」 冷蔵庫を開けてみて、がっくりと肩を落とす。 普段の和装の印象に違わず、どちらかと言えば洋食よりは和食派である小早川紗枝。 だから、階下の「見るからにアメリカン」な店舗に無いものがあれば、と思ったのだが。 片隅に置かれた炊飯ジャーも、見るからに汚い。 ま、独身男性の自宅ともなれば、こんなものではあろうが……。 「こら、ご飯を炊いておにぎりでも、っちゅう気分にもならへんわぁ……」 純粋な衛生面での話であれば、あるいは大丈夫かもしれない。 しかし紗枝自身の素直な感情としてイヤだ。 なんといっても、15歳の乙女なのである。 まだ下の店舗のキッチンの方が、法的な基準や保健所の目などがあるせいか、綺麗に思える。 食材のストックからツナ缶を2つほど見つけると、彼女はこれを戦果として下に戻ることにした。 表示されていたダイナーのメニューの中には、これを使っていそうな料理はなかったはず。 つまり、こうして二階に上がらなければ入手できなかった材料。 この缶詰と下にある食材で、適当にサンドイッチでも作ろう。そう心に決める。 階段を半ばまで降りかけたところで、盛大に店舗入り口のベルが鳴る。 「おう、紗枝はどこいった? …………、…………」 拓海の声だ。 やけに早い帰りである。何かトラブルでもあったのだろうか? 紗枝は階段を小刻みに駆け下りると、キッチンの方に顔を出した。 * * * 騒々しくも勢いよく拓海が2階に上がるのを見送りながら、今度は1階を調べて回る。 キッチンの奥にもう一枚あった鉄の扉は、鍵を開ければ外に繋がっていた。勝手口だろう。 他には順当に食材たっぷりの業務用の冷蔵庫と冷凍庫に、客用のトイレ。 一周して戻ってきて、キッチンで腕まくりをする。 目の前には、いかにも業務用、といった風体の調理器具が並ぶ。 ポテトを揚げるためのフライヤーやら、鉄板全体が熱せられて食材を焼き上げるグリルやら。 しかし、少しばかり紗枝の手に余るようなものが多い。 「使いこなせるんやったら、美味しゅうなるんやろけどねェ」 淑女の嗜みの一環として、ある程度の料理も叩き込まれた紗枝ではあるが、やはりその本領は家庭内。 こういうプロが使う道具とは、縁がない。 ましてや彼女の経験値はいささか和食方面に偏っているから、なおさらだ。 むしろここにあるのは、ファーストフード店でのバイトの経験あたりを要求する代物である。 まあ、無いものをねだってみても仕方がない。 やれる範囲で、やれることをやるしかない。 基本的に火を通さずに済むタイプのサンドイッチ類を念頭に置いて、材料を並べていく。 いくら和食派といっても、それくらいなら問題なく作れるはず。 「……あ、あのっ!」 「ん? どないしはった?」 「その……ボールとか、どこかにありませんでしたかっ?!」 「ボール? 野球とかサッカーとか、そういうのん?」 必死な様子で声をかけてきたのは、白坂小梅。 涼の手当てを担当していたはずだが……はて。そんなもの、何にどう使うのだろう? 分からないままに、紗枝は素直に返答する。 「ウチは見とりまへんなぁ。 ただ……2階は男の人が住んでたお部屋のようやったし、ひょっとしたら……」 「わ、わかりましたっ! ありがとうございますっ!」 トタトタトタ。 紗枝の答えを聞くやすぐに、小走りで奥の扉へと消えていく。 裾の長すぎる特攻服をなびかせて、必死なその横顔がなんとも微笑ましい。 「みんな頑張ってはるね。うちもしっかりせんと……!」 軽く腕まくりして、手近にあったエプロンをつけて。 紗枝は調理に取り掛かる。 * * * 金属のボウルにツナ缶を開け、セロリ、キュウリを順次刻んで放り込んでいく。 単調な作業は、自然と彼女を思索へと誘う。 まず病院に向かう。それはいい。 しかし病院でどれだけのことができるのか。 病院についた後、そこからどうすればいいのか。 「ああ、ボール、あったん?」 「は、はいっ! こ、これで、何とかなりそう……っ!」 黄緑色のテニスボールを手に、飛び出してきた白坂小梅が、そのままボックス席へと突進していく。 本当にあれで何をするのだろう。何か重要なモノではあるようだが。 そう思いつつも手は野菜を刻み続ける。 涼を病院まで運ぶ。 その目的に、代わりはない。 しかし、その病院で素人でも使えるモノといったら、何がある? 松葉杖。涼が元気を取り戻せば、移動が格段にラクになるだろう。 車椅子。こちらは行動範囲が制限される代わりに、涼の回復を待つ必要がない。 包帯。これはあればあるだけ望ましい。清潔な包帯で傷口を覆っておくだけでも全然違うはずだ。 消毒液。これも重要だろう。傷口の消毒、念入りにしておくに越したことはない。 なるほど、いずれも足を運ぶだけの価値のある、便利なものばかりだ。 けれど―― 輸血? 無理だろう。血液型くらいは分かるかもしれないが、とてもとても。 輸液? これさえも難しいだろう。 投薬? 誰にそんな知識があると? 手術? そんなの論外に決まってる。 そう、やっぱり素人だけでは、限界がある。 「あ、駐車場に出はるんやったら、そっちの扉使いィ。その方が近いんちゃう?」 「おっ、すまねぇな。よいしょっと!」 小梅より少し遅れて、工具を抱えて駆け降りてきた拓海に、勝手口の存在を教えてやる。 彼女が姿を消してまもなく、車のエンジンの音がする。 よし。 車の方は、どうやらなんとか、なるらしい。 あとは拓海が言っていた、パンクへの対策があるくらいか。 紗枝はボウルにマヨネーズとコショウを投入し、中身を混ぜてツナサラダに仕立てていく。 素人だけでは病院まで行っても限界がある。これは厳然たる事実だ。 行かないよりは行った方がいいけれど、根本的な解決にまでは至らない。 ならばどうする? どうすれば紗枝たちは、松永涼の命を救えるのだろう? 「やっぱり……なんとか『外』のお医者さんのとこまで、連れていくしかあらへんね……!」 少し気になって客席の方を覗けば、涼の足の付け根あたりで何やら作業をしている、小梅の姿。 事情を知らない人が見たら誤解しそうな光景やね、と紗枝は少しだけ思いながらキッチンに引っ込む。 ツナサラダをいったん脇に置くと、レタスの葉を水洗いし、手で適当なサイズに千切り始める。 そう、小梅が奮闘したとしても、どこかで専門家の手にゆだねる必要があるだろう。 剥き出しの傷口を縫い合わせたり、感染症に対する対策をしたり。 リハビリをしたり、義足を作ったり、幻肢痛をなんとかしたり。 そういったことは、どうやっても素人には無理だ。 設備も人員も揃った病院に、担ぎ込む必要がある。 そうなると……やはり、目指さねばならないのは。 一刻も早い、島からの脱出。 これまでだってのんびりしていたつもりはない。 けれど、今までにも増して、スピーディーな脱出が必要になってくる。 もちろん問題は島から出ることだけではない。 首輪への対処、捕らわれのプロデューサーたちの救出。 これらすべてを、まるで勝ち目のない数々の問題を、とにかく最速でクリアしなければならない。 「ハードどすなぁ……! まあ、遊んでられへん状況には、変わりあらへんけど」 課題が多すぎて、さてどこから手をつけたものやら。 紗枝はレタスの水をザルで切りながら、天井を仰ぐ。 首輪は……現時点ではちょっとばかり手がかりに乏しい。 拓海の言っていた通り、「機械に詳しいアイドル」が運よく居る可能性を祈るくらいしかない。 人質は……これもノーヒント。 何か情報さえあれば一気に動くかもしれないが、そもそも現時点ではどこに居るのか想像もできない。 そして、脱出手段……。 「そういえば、涼はんがあの様子じゃ、『みんなで泳ぐ』とか、もう無理やね……」 拓海との最初の出会い、そして紗枝の迷いを吹き飛ばしてくれた『あの一言』を思い出す。 あの時の言葉は、今でも紗枝にとっては重要な指針。 しかし、あの傷ではとても海には入れない。 片足が使えないことを無視したとしても、あの傷口を海水に浸けるとか拷問以外の何物でもない。 ではどうするか。 ならば何ができるか。 どこに行けば、いいのか。 * * * そこまで考えて――紗枝はハッとする。 手の内から、レタスの入ったザルが滑り落ちる。流し場に大きな音が響く。 驚いた小梅が遠くで小さな悲鳴を上げるが、それどころではない。 急いで足元に置いていた荷物一式に飛びつくと、情報端末を取り出し、地図を表示する。 そう。 小早川紗枝は、気づいてしまったのだ。 「まずいどすえ……! 既に、潰されとるわぁっ……!」 紗枝が凝視するのは、禁止エリアに指定された『C-7』地点。 大雑把に目立つ施設だけが記された広範囲の表示でも、確かに書かれているたった一文字の漢字。 ―― C-7、その中央部、『港』。 その気づきに、ぞわっ、と全身の毛が逆立つような思いがする。 ついつい、思い込んでしまっていた。 みんなでそう話してもいた。 これまでに指定された4つの禁止エリア、その中でも目立つ街中のC-7が指定された意味。 最初の説明から考えて、たぶん、そこに「籠城していた者」でもいたのではないか、と。 それを追い出すために、あえてそこを指定したのではないかと。 しかし。 気づいてしまった以上、もう一つの隠された可能性を、否定できない。 「う、うちらの、脱出の手段を、奪ったん……!?」 大怪我を負った涼は、もう泳げない。 ならば船を使おうというのは、誰もが考える方法のはず。 しかし、その船を得られる一番の候補地点は、今や禁止エリアに覆われ、手が届かない――! 考えてみれば、『泳ぐ』なんていうのは、紗枝も最初は大笑いした、現実的とは思えぬ手段だ。 飛行場も、まあ使えないと見るのが自然。 仮に飛行機があったとしても、素人がぶつけ本番で飛ばしてみるなんて自殺行為でしかない。 ならば船こそが、脱出のための最有力手段のはず。 その船が最も豊富に、確実にあるはずの場所が、開始後10時間という早い段階で、封鎖されている。 「あかん……! 完全に、後手に回っとるっ……!」 紗枝の目が、情報端末に表示された地図の上をせわしなく動き回る。 港は使えない。 ならば他に、船のありそうな所は無いか。 船がつけられそうな地形はないか。 彼女の視線が、島の外周に沿って動いてゆき…… そして、気づく。 必死に探していた第二の港ではなく、これまた全く違う、違和感の塊。 「……え? なんやの、この、不自然なんは……!」 それは島の南東部。 D-2、E-1、F-1と並んだ、禁止エリア、及びその予定地域に、釘付けになる。 おかしい。 紗枝のカンが、そう告げる。 そういえば、なんでこんな所に、4つのうちの3つもが揃って固まっているのだ。 人のいないところ、移動の邪魔にならないところを指定した――それは分かる。 というより、今まではただ、それだけが理由だと思っていた。 ちひろたちだって、このイベントの停滞は望まないはず。 迂闊に重要な道路でも塞いで、人の行き来が遮られたりしたら、一気に動きが止まりかねない。 だから、こういう辺縁部が優先的に指定されること自体は、別に驚くことではないのだが。 問題は、その密集の度合い。 「これ、どれも、海岸沿いやん……! しかも、ぜんぶ繋がって……!」 正確にはD-2とE-1の間に僅かに隙間があるが、大した問題でもないだろう。 そう、この禁止エリアの配置。 気づいてみれば、天文台の北西側の沿岸を、潰しにかかっている。そのように見える。 それこそ、地図だけ見れば何の変哲もない、島の端っこではあったけれど。 C-7の禁止エリアに、新たな意味を見出した以上。 ここに並ぶ3つの禁止エリアにも、別の意味があっても、おかしくはない。 つまり―― 「こ、この辺に……『何か』、あるん……?」 ごくり、と紗枝は唾をのみ込む。 近づくことすら拒絶するように、禁止エリアが配置された島の隅。 地形から見ても、地図上の施設名を見ても、「何もない」不毛の場所。 人目を避けたいとかでもない限り、誰も近づこうともしないであろう辺境。 けれど、紗枝のカンは告げる。 このあたりに、『何か』がある。 ちひろたちが近づかれることも見られることも望まないような、『何か』、が。 それは、陸上に建っているのかもしれない。 それは、洋上に浮かんでいるのかもしれない。 それは、ひょっとしたら、与えられた地図の「さらに外側」に位置しているのかもしれない。 現時点では想像を絞り込むこともできないし、今からでは直接踏み込んで確認することも不可能。 けれど。 「もし、ほんまにそうやとしたら……『ココ』に行けば、たぶん……!」 紗枝の指が震えながら示した、地図上の一点。 そこにはただ3文字、『天文台』とだけ、書かれていた。 そこから見える光景に、ひょっとしたら。 最速最短でちひろたちの首筋に牙を立てるための、『何か』が、あるのかもしれない――! * * * ――やがて、簡単なランチボックスが完成した。 店でのテイクアウト用にでも使われていたらしい、手頃なサイズの紙の箱。それを4人分。 そこに、手際よく数種類のサンドイッチを詰めていく。 ツナサラダだけでなく、レタスとハムとチーズに、ポテトサラダ。 ポテトサラダは少しズルをして、冷蔵庫でそのまんま袋に詰められていた業務用の代物を利用した。 飲み物も用意した。 冷蔵庫の中にはアイスコーヒーがたっぷり、大きな容器で冷やされていた。 これに、同じく冷蔵庫から見つけたミルクを合わせて、業務用サイズのシロップも投入。 やや甘ったるいくらいの、アイスカフェオレ……というか、コーヒー牛乳のような飲み物にする。 これなら小梅も飲めるだろうし、カフェインも糖分も取れる。 疲れが出てきた身体には、ちょうどいい飲み物のはずだ。 これもテイクアウト用らしい蓋つきのカップに、人数分に分けて注ぐ。 サンドイッチにしたのは、それこそ歩きながらでも、軽トラックで移動しながらでも食べられるように。 蓋つきのカップも同じ意味で有難い。忘れずにストローも用意しておく。 とりあえずこれで、紗枝の担当していた仕事は完了。 あとは機会を見て禁止エリアに関する自分の考えを伝え、今後のことを話し合わないと。 「みんなのお陰やね……。 ひとりやったら、きっとまだ気づかへんかったわ~」 拓海の言った『みんなで泳げばいい』という発言。 なんとしても涼を救うんだ、という、みんなの意志。 そして料理だけに専念できた、この時間。 いずれが欠けても、手の届かない発見だった。 既に失われてしまった絆もある。 例えば、同郷の親友、塩見周子。 詳しい事情は分からないけれど、放送の真偽を疑っていられるほど、呑気な状況ではない。 本当なら、彼女との思い出に浸って、泣きじゃくっていたいくらいだ。 けれど、でも、だからこそ。 手の届く限り、もう誰1人として、失いたくはない。 それもまた、紗枝の素直な感情なのだ。 裏手の駐車場から聞こえていたエンジン音が止まり、しばらくして勝手口が開く。 姿を現したのはもちろん、向井拓海。 キッチンを通り抜けて、涼たちがいるはずの客席の方に向かって、 「……って、おい、今度こそ本当に……ナニ、やってんだよ」 なんだか、固まっている。 そういえば小梅はあの後も、パタパタと二階に上がったり下りたり、キッチンに顔出したり。 なにやら積極的に動き回っていたんだっけ。 最後は確か、水を下さい、といってコップになみなみとついで持って行ってたような……。 はて、何をやってるというんだろう。 紗枝は軽く首を捻りながら、拓海の後ろから顔を出して――そこにあった光景に、赤面した。 * * * 【Cパート】 白坂小梅の場合 まずは、汗を拭いてあげないと。 小梅は裾も裾も余っている特攻服をなびかせながら、洗い場へと走り込む。 身体を拭けるモノを探してキョロキョロ見回していると、小早川紗枝に声をかけられた。 「ここ、2階があるようなんよ。ちょっと見て来るわぁ」 「あ、は、はいっ!」 そのまま紗枝は、扉の向こう、急な階段の上へと消えていく。 それを横目に、小梅はキッチン内の物色を続ける。 やがて布巾類をまとめて置いてある場所から、綺麗なタオルを数枚選びだし、水で濡らして堅く絞る。 トタトタと走って戻り、涼の身を拭いていく。 額。 腕。 あとは、服の中にも手を突っ込んで。 身体の隅々、すべてきっちりと。 小梅は丁寧に素早く、汗をぬぐっていく。 「おう、紗枝はどこいった? ……って、ナニやってんだよ」 大きくベルを鳴らして入ってきた向井拓海が、不審そうな声を漏らす。 顔を上げれば、ああなるほど、とばかりに納得したような表情。 まったく、何を誤解したのだろう。 しかしそんな不満はおくびにも出さず、小梅は蚊の鳴くような声で質問に応える。 「さ、紗枝さんなら、そっちに……」 「おや、拓海はん、お早いお帰りどすなぁ。ダメやったん? …………。…………」 2人の会話を意識の外に押しやり、小梅はそのまま作業を進めて一息。 とりあえず、一通りは身体をぬぐい終える。 さて――では、これからどうする? というより、医療の知識もない自分に、いったい何ができる? * * * ――そう。 医療の知識はない。 正当な医学の勉強も、応急手当てなどの実技も、どちらも彼女には縁がない。 では、白坂小梅が「持っているもの」といえば、何だ? 誰にも負けない、白坂小梅だけの強みとは? 「……ほ、ホラー映画の、知識……? でも、そんなの…………………………あっ」 そうだ。 思い出せ。 涼と共に語り合った雑多な知識を、思い出せ。 自分は、普通の人なら知らないことを、たくさん知っているはずだ。 小梅は必死になって、微かな記憶を手繰り寄せる。 ホラー映画の中の1ジャンル、スプラッタ。 そのダメージ表現は、荒唐無稽と評されることも多い。 悪趣味の極みと、馬鹿にされることも多い。 小梅自身、過去にそれで何度も悔しい思いをしてきた。 でも、だからこそ。 演出は演出と割り切った上で、その手の心無い言葉に耐えるために。 性格的に反論とかできなかったけれど、いつかしっかりと反論するために。 あるいは単純に、ただ映画をより純粋に楽しむために。 いろいろなことを、学んだはずだ。 別に肩ひじ張った学問ではない。 雑学レベルの、やや内容の偏った知識。 良識ぶった人たちからは眉を寄せられるような、「悪趣味な」知識。 しかしそうであっても、それらをフルに活かせば。 「人間が出血で死ぬのは、血液の1/3から1/2ほどが失われた時……! 人間の血液量は、体重のだいたい8%……!」 松永涼の体重は確か、アイドルとして公表されているプロフィール上で50kg弱。 乱暴な計算で、血液はだいたい4kg弱、つまり4リットル弱。 1リットルあたりから要警戒、2リットルも血を流せば確実に命取り、ということになろう。 もちろん、足1本失った分をどう計算すればいいのか、小梅の知識では分からないが…… それでも。 「と、とにかく、少しでも、出血を止めなきゃ……!」 現在、松永涼の足の断端は、向井拓海の胸を押さえていたサラシによって縛られている。 思いっきり力を込めて縛り上げた甲斐あって、ほとんど出血は止まっていたけれど。 こうして、テーブルの上に横たえてみれば分かる。 まだ、じわじわと、血はにじんでいる。 足の断端が置かれた先に、ごく小さく、しかし確実に、にじみ出た血が溜まり始めている。 量だけで言うなら、まだ焦る程ではあるまい。 けれど、このまま放置すれば、時間の経過と共に、やがていつか限界を突破する。 ここまで悪くなってきた顔色も、そのことを反映していたのだろう。 なんとかして、より確実な止血をしなければ。 では、どうする。 なにができる。 小梅は絞り出すようにつぶやく。 「て、手足が千切れた時は、より身体の中心に近いところを縛るのが基本……!」 そう。 スプラッタ映画でも、それは基本だ。 ……より正確に言うなら、「それができない」姿を晒して大慌てするのが基本だ。 腕をモンスターに噛み千切られて、派手に血が噴き出して、登場人物がパニックに陥って。 それを「叫んでるヒマあるならさっさと縛れよー!」とか笑いながらツッコんだりする。 ホラー映画マニアの当たり前の光景だ。 そういうツッコミを楽しむためにも、「ではどうすればいいのか?」は弁えていなければならない。 基本は、より身体の中心、心臓に近いところの動脈を圧迫してやればいい。 もちろん押さえっぱなしでは、そこから先が虚血に陥り、やがて腐ってしまうけれど。 それでも、筋肉や骨は比較的虚血にも強い。 ときおり圧迫を緩めて血流を再開させてやるだけで、十分だったりもする。 たいていの場合、壊死の危険よりも、出血多量の危険の方が遥かに大きな意味を持つ。 では、今回の場合。 どこをどうやって押さえればいいのか? 「ひ、ひとが刃物で斬られて失血死する急所は、だいたい脈の触れる動脈と一致……! 手首、肘、脇の下。頸動脈。膝の裏。 そして、『足の付け根』……!」 人体というのはよくできたもので、大事な動脈はたいてい、太い筋肉や骨に守られている。 不意の外傷でも、なかなか死なないようにできている。 それでも、数か所だけ。 体表近くを、太い動脈が走っているポイントがある。 それは人体の急所であり、同時に、脈拍を取れる場所でもあり。 強く圧迫すればそこから先の血流を大幅にカットできる、そんな要所でもある。 その中でも一番分かりづらく知名度も低いのが、大腿動脈。 太ももの内側の付け根近く、もうほとんどデリケートな部分に近いあたり。 日常生活の中でそんなところに触れたら、間違いなく痴漢か変態扱いされるような、そんな位置だ。 足というより、もう、股間と呼んでもいいくらいの場所かもしれない。 小梅は涼の股間近くに手を伸ばす。両手を使って、左右同時に探っていく。 途中で切断された左側は、ちょっと脈も分かりづらい。 しかし、無事な方の足、右足の方では、やがてすぐに指先に微かな鼓動を感じとる。 ここだ。 だいたい、このあたりだ。 左右対称同じ位置で、左足の付け根・大腿動脈が体表近くを走っている場所を、押さえてやればいい。 「たしか、脇の下を圧迫して腕の出血を止める時は、ボールを挟んだりしたはず……!」 これも、そういった話と一緒にどこかで読んだ気がする、雑学知識。 ボールのサイズと弾力が丁度いいとか、そういう話だったはず。 ならば、この左大腿動脈の圧迫も、ボールを上から押し付けるようにして縛り上げてやれば、きっと。 小梅は、駆けだした。 * * * ボールは、すぐに見つかった。黄緑色で蛍光色の、標準的なテニスボール。 二階で何やら探し回っていた拓海が、すぐに投げ渡してくれた。 見た目にも綺麗で、これなら申し分ない。 さきほど位置を確認した、太腿の付け根の動脈に押し付けて、その上から足ごと強く縛り上げる。 使うのはもちろん、足の断端を縛ってもなお余裕のある、向井拓海のサラシの一部だ。 どうしても結びにくい位置、押さえにくいボールの形。 多少手間取って、途中、ちょっと小早川紗枝に不審そうな視線も向けられたけれど。 それでもひとまず、圧迫による止血を完了する。 不意に、大きな金属音が響き渡った。 「……ッ!?」 ビクッ、と小梅はキッチンの方を振り返る。 そーっと覗きに行くと、小早川紗枝が何やら、呆然とした様子で情報端末を弄っていた。 ……よく分からないけれど、とりあえず怪我とかはしていないらしい。 それだけ確認すると、小梅はそのままそっと引っ込んだ。 紗枝の方は小梅が覗いたことにも気づかない。 何があったのだろう。 いや――何に気づいたのだろう。 小梅は首を傾げる。 紗枝の担当はみんなのご飯作り。 そうそう自分の仕事を投げ出したりしない人だと、思っていたのだけど。 「でも……きっと、なにか大事なこと……なんだよ、ね……?」 そうだ。そうなのだ。 紗枝にも拓海にも、それぞれ大事なことはあるはずなのだ。 それぞれに大事な友人がいて、大事に思うプロデューサーがいて。 みんなで笑顔で終わるハッピーエンドのためには、やらなければならないことは山ほどある。 今は大怪我をした涼のことで手一杯だけども、本来なら、涼だけに構っていられる状況でもない。 ならば。 病院に着いたら、その時点で――お互い別行動を、するべきではないのか。 涼は1人きりにはできない状態だし、小梅も涼から離れるつもりはない。 けれど、拓海と紗枝が、いつまでも涼に縛られている必要はないはずだ。 きらりが水族館から呼んで来るはずの人たちについても、のんびり待ってはいられない。 人手が増えるのはありがたいが、それを待って動きが鈍り、手遅れになってしまっては意味がない。 伝言を預かる留守番役、つまり涼と小梅が病院に留まるだけで、十分なんじゃないだろうか。 首尾よく車椅子でも見つかれば、あとは涼と小梅だけでも、最低限の行動はできるようになる。 病院についたら、ちょっとチームの分割を提案してみようか――そう、心に決める。 「そ、それより、いまは……!」 それより、今は涼のことだ。 さて、では次はどうすればいい? テーブル上に零れた僅かな血だまりを、これもテーブル上にあった紙ナプキンで拭きながら考える。 涼の面倒を見るのは小梅の役目。 だから、病院に着くまでの間も、少しでも涼の消耗を抑えられる手を考えないと…… 「あっ……そ、そういえば……!」 テーブルを拭きながら、その硬さにハッと気づく。 もっと早く気づくべきだった。 けれど、いまからでも遅いということはない。 小梅は階段を駆け上がり、二階の部屋へと飛び込んだ。 周囲を見回す。 あった。 パイプのベッドの上、少し皺のよった毛布。 お世辞にも綺麗とはいえない部屋だけども、布団回りは意外と汚れていない。 そのままひっぺ返して、大雑把に畳んで、小脇に抱えて再び階段を駆け下りる。 毛布の半分ほどを、苦労しながら涼の身体の下にねじ込むようにして敷いてやる。 薄い毛布だけども、それでもこれ一枚あるだけでも全然寝心地は違うはず。 続いて、残りをふわりと身体の上へ。 ちょうど2つ折りにした毛布の間に、涼の身体が挟まれたような恰好になる。 「ふうっ…………」 思わず溜息が、漏れる。 * * * これは、恩返しだ。 白坂小梅は、そう思う。 1人ではとても生きていけなかった。 小梅にとって、世間の人間はお化けよりも怖い。 いつもついつい、過剰にビクビクしてしまう。 自分の恐怖の基準がズレてるのか、それとも世の中の方が間違っているのか。 とかくこの世は、白坂小梅には、生きづらい世界だった。 そんな小梅に手を伸ばしてくれたのが、2人の大切な人。 彼女のプロデューサー。 そして、松永涼。 どちらも怯える小梅の手を取って、広い世界へと連れ出してくれた。 常人とは少しズレた小梅の感性をそのままに尊重し、その上で、新たな世界に導いてくれた。 この激動の半日の中で、いろんな人と出会った。 生きている人、死んでいる人。 怖い人、優しい人。 時に恐怖を感じ、時に哀しみを感じ、時に元気を貰ってきた。 世界が繋がる。 世界が広がる。 白坂小梅は、1人では、ないから。 だから、今度は。 「お、お水、もらっていきますね……!」 「んっ? ああ、どうぞ」 キッチンで作業しながら生返事を返す小早川紗枝を横目に、小梅はコップに水を注ぐ。 両手で抱えて、パタパタと涼のそばに駆け戻る。血染めの特攻服の裾がひるがえる。 とりあえず出血を抑える手は打った。 寝心地の悪さ、身体の冷えに対しても、毛布を持ってきた。 あとは―― これだけ血を流し、イヤな汗をかいているのだ。 脱水症状に陥っていても、おかしくはない。 本当は病院で点滴でもできれば一番なのだろう。 いや、輸血を考えてもいいくらいなのかもしれない。 けれどそんな技術も知識も持ってないし、素人が適当にやっていいことだとも思わない。 だからせめて、水くらいはたっぷりと飲んで貰わないと。 「りょ、涼さん、の、飲めますかー……? ……む、無理だよね、やっぱり……」 涼の身体を半ば抱え起こし、その口元にコップを持ってきてみるものの。 やはり、意識を失ったままの人間に、飲めるはずがない。 だからといって、水差しのような便利な道具は、どこにもなかったし…… 小梅は、途方に暮れる。 覗き込んだ涼の額に、汗はない。 やはり水分が足りないのだ。 いったん拭いた後から、もう出てこないというのは、きっとそういうこと。 それに水分不足は、血液量にも直結するはず。 これも何かで読んだ知識だが、血液は案外、薄まっても大した影響はない。 もともと健康な血液自体が、かなりの余裕を持っているのだ。 でも逆に、人体は、脱水には弱い。 血液が煮詰められたようになって、実質上、血液の総量が足りなくなるのと同然になってしまう。 早く、なんとかして飲ませないと―― でも、無理やり注ぎ込んで溺れさせたりしたら、それこそ本末転倒だし―― 「お、落ち着いて、考える……! 足の止血だって、なんとか、なったんだから……!」 傷の手当てに役立った知識は、何だ? ホラー映画関係の雑学だ。 なら、今度もその線で考えてみよう。 今度はホラー限定では、どうにも良いアイデアに繋がらない。 だいたい基本的に、ホラーというのは人が死にまくるジャンルなのだ。助けるシーンは少ない。 でも、ならば、ホラー以外であれば。 映画に限らず、フィクション全般なら。 お話での定番なら。 考えろ、考えろ、考えろ。 ……そして、彼女は辿り着く。 「うわっ……! で、でもっ……! それでもっ……!」 ゴクリ、と小梅の喉が鳴る。 脳裏に浮かんだ、とあるアイデア。 本当にそんなことをしていいのか、さすがに躊躇する。 でも。 他に方法が、ないのなら。 ためらう理由も、ためらっている時間も、ない。 「涼さん…… い、いきます、よ……!」 小梅は小声で、気合いを入れると。 涼のために用意したコップに、自ら口をつけ。 水を少量、口に含んで。 そのまま涼の顔の上に覆いかぶさって―― 唇と唇を、重ねた。 松永涼の喉が、こくり、と反射的に動いて、流し込まれた水を嚥下する。 手ごたえを感じて、二度、三度と繰り返す。 涼の身体が何よりも欲しているはずの水を、口移しで与え続ける。 小梅は必死で、だから、最初に感じた気恥ずかしさなど、意識している余裕はなかった。 * * * 向井拓海と小早川紗枝に一部始終を見られていたことに気づくのは、しばらく経ってからのことである。 * * * 【Dパート】 松永涼の場合 ――夢を、見ていた。 どことも知れないステージの上で、1人きり。 顔のない聴衆の前で、スポットライトに照らされている。 演奏はなく、舞台装置はなく、演題もない。 あの頃みたいだな、と少しだけ思う。 バンドを組んでいた頃は、ただ歌うことしか知らなかった。 派手なメイクで素顔と本音を隠し、叩きつけるように感情だけを炸裂させていた。 あの当時の歌は、誰よりもまず、自分のために歌う歌だった。 聴衆のことなど、二の次だった。 バンド仲間は何人もいて、当時だって友人に囲まれ笑っていたはずなのに、どこか空虚で、孤独だった。 虚しくて、物足りなくて、でも、それでも楽しいのだと思い込もうとしていた。 自分には歌しかないのだ、と粋がっていた。 客もまばらなライブハウスで、自分の喉を傷めつけるように、叫んでいた。 けれど。 ある日、とある男に声をかけられてから――彼女を取り巻く環境は、一変した。 想像もしていなかった、アイドル業界への誘い。 バンドのボーカルとしてのスカウトではなく、彼女自身に魅力を見出した上での、真摯な誘いの言葉。 自分がバンドをやってる、と言った時のアイツの表情っていったら、もう。 それでも彼女は、彼の差し出してきた手に応えて―― そこから広がる、新しい世界。新しい出会い。 そして、新しい気づき。 「誰か」のために歌う歌は、今までの何倍も何十倍も、気持ちよかった。 こんなにも楽しく美しい世界を知ってしまった、今の彼女にとって。 いかにスポットライトが当たろうと、いかに聴衆に囲まれようと。 こんな寂しい、砂漠のような舞台は、とても耐えられるものではない。 マイクを引き寄せ、そのことを叫ぼうとして――しかし、声が出ない。 喉が、渇く。 喉が、焼ける。 顔のない観客たちは、砂漠のステージで苦しむ彼女を、ただ無言で見守っている。 声が出ないまま、さらにがくん、と彼女の身体が崩れる。 咄嗟にマイクスタンドにすがりつき、それでも支えきれず、もろともに倒れ伏す。 見れば、左足が無くなっている。途中からぷっつりと途切れてしまっている。 こんな身体で、ステージに立つ資格なんてあるのか。 ひとりきりの自分に、何ができるというのか。 ああ、喉が渇く。喉が焼ける。足の痛みに、思考が混濁する。 自分は――弱い。 彼女は座り込んで、天を仰ぐ。 不意に、唇に何かが触れる。口の中に暖かい水が満ちる。反射的に呑み込む。 それは命の水。渇きが癒され、身体に力が満ちる。 それは魂の絆。彼女が孤独ではないという証。 闇の中に浮かぶステージで、彼女はマイクスタンドを杖のようにして、再び不器用に立ち上がる。 そうだ。 もう、彼女は、ひとりではない。 もう、彼女ひとりのことでは、ない。 さらに続けて注がれる水を飲み下しながら、彼女の目に意志の光が宿る。 戻ろう。 そして伝えよう。 高らかに歌い上げよう。 自分のためではなく、みんなのための歌を。 絆を結んだ、みんなと、いっしょに。 彼女は声もなく震える手を虚空に伸ばし、そして―― * * * ――どこへともなく伸ばした手を、がっし、と誰かに握られる。 小さな手だ。暖かい手だ。 ほっとする、手だ。 瞼を開く。 ただそれだけのことに、相当な労力を費やしながら、彼女は見た。 横たえられた自分の身体と、心配そうにこちらを覗き込む、3人の顔。 向井拓海。 小早川紗枝。 そして―― 涼の手と指を絡める、白坂、小梅。 何か夢を見ていたような気がする。必死に逃げてきたような気がする。凄まじい疲労感だけが残っている。 夢の内容はほとんど覚えていない。 けれど、伝えたいと思ったメッセージだけは、残っていた。 掠れる声で、素直にそれを、口にする。 「みんな……ありがと、な」 ひとりではないから。 みんなだから。 だから、松永涼は、これから先も歌うことができる。 万感の思いを込めた一言。 周囲の皆も、表情を緩ませた。 戻ってきてよかった。心の底から、そう思う。 「あと……水、もっとくれないか。 喉、乾いちゃってさ」 ついでに何気なくつぶやいたら、3人とも、なぜかひどく、動揺した。 水が半ばまで入ったコップを片手に、あうあう、と挙動不審な小梅。 「ちげぇよ! そういう意味じゃねぇよ!」と、小梅の頭に軽く拳を落とす拓海。 頬を染めつつ溜息ひとつついて、小梅の手から奪ったコップを差し出す、紗枝。 よく分からないままに、涼はふふっ、と微笑んだ。 なんとなく、そういう気分だった。 久しぶりに飲んだコップの水は、冷たくて、渇いた身体に心地よく。 それでも、夢の中で喉を鳴らした命の水には、遠く及ばないような気もした。 * * * 【合唱パート】 向井拓海、小早川紗枝、白坂小梅、松永涼 「……よし、出発するぜ。みんな、忘れ物ねぇな?」 「は、はい、大丈夫です……! りょ、涼さんの荷物も、わ、私が……!」 「せっかくのお弁当、食べるヒマあらへんかったねぇ……」 「……みんな……済まないね……」 慌ただしくも準備を終えて、軽トラックにエンジンがかかる。 運転席でハンドルを握るのは、向井拓海。 助手席には、意識を取り戻した松永涼が、毛布にくるまれた姿で担ぎ込まれ、シートベルトで固定される。 意識こそ戻ったものの、消耗が激しく、無理をさせられない状況には変わりない。 軽トラックに乗り心地を要求するのも酷だが、それでも荷台よりはだいぶマシだろう、という判断だった。 その荷台の上には、小早川紗枝と、白坂小梅の姿。 紗枝は4人分のサンドイッチとコーヒーを。小梅は涼の分の荷物一式を。それぞれ抱えている。 荷台に人を載せるのは褒められた行為ではないが、緊急事態でもあることだし、容赦してもらおう。 それぞれ腰をしっかり落として、荷物の一部を足元に置いて、荷台の柵にしっかりと掴まる。 さあ、出発だ。 ゆっくりと軽トラックが動き出す。 大きく揺らさないように、荷台の2人を振り落さないように。 安全重視の徐行運転、しかしそれでも、歩くよりは格段に早い動きで。 軽トラックは駐車場を出て、道路に滑り込む。 「よし、それじゃあいくぞ――!」 拓海の宣言と共に、彼女たちは西に向かって動き出した。 どんどんダイナーが遠ざかっていく。 周囲の景色が移り変わっていく。 不安はどこまでも尽きないけれど、それでも、アイドルたちは前を目指す。 ひとりでは歌えない歌を。 みんなだからこそ歌える歌を、歌い上げるために。 アイドルたちは、みな、前を向いて進む。 【B-5 南西部 分岐路付近/一日目 午後】 【向井拓海】 【装備:鉄芯入りの木刀、ジャージ(青)】 【所持品:基本支給品一式×1、US M61破片手榴弾x2】 【状態:全身各所にすり傷。軽トラック運転中】 【思考・行動】 基本方針:生きる。殺さない。助ける。 1:まずは軽トラックで涼を救急病院まで搬送する。 2:引き続き仲間を集める 3:涼を襲った少女(緒方智絵里)の事も気になる ※軽トラックは、パンクした左前輪を車載のスペアタイヤに交換してあります。 軽トラックの燃料は残り少ない状態です。 拓海の見立てでは、少なくとも病院までは持つだろうということです。 【小早川紗枝】 【装備:ジャージ(紺)】 【所持品:基本支給品一式×1、手作りランチボックス×4人分、手作りコーヒー牛乳×4人分】 【状態:健康。軽トラックの荷台に乗っている】 【思考・行動】 基本方針:プロデューサーを救い出して、生きて戻る。 1:涼を救急病院まで搬送し、車椅子や包帯等を確保する。 2:その後、涼と別行動してでも「少しでも早く脱出する方法」を探す 3:『天文台』に向かいたい。天文台の北西側に『何か』があると直感 4:引き続き仲間を集める 5:少しでも拓海の支えになりたい 6:(周子はん……) 【白坂小梅】 【装備:拓海の特攻服(血塗れ、ぶかぶか)、イングラムM10(32/32)】 【所持品:基本支給品一式×2、USM84スタングレネード2個、不明支給品x0~2】 【状態:背中に裂傷(軽)。軽トラックの荷台に乗っている】 【思考・行動】 基本方針:涼を死なせない 1:涼のそばにいる。 2:病院についたら、拓海・紗枝組と小梅・涼組に分かれる提案をする。 3:胸を張って涼の相棒のアイドルだと言えるようになりたい。 ※松永涼の持ち物一式を預かっています。 不明支給品の内訳は小梅分に0~1、涼の分にも0~1です。 【松永涼】 【装備:毛布】 【所持品:なし】 【状態:全身に打撲、左足損失(サラシで縛って止血)、衰弱。軽トラックの助手席に搭乗】 【思考・行動】 基本方針:小梅を護り、生きて帰る。 1:申し訳ないけれども、今は世話になる。 2:みんなのためにも、生き延びる。 ※意識を取り戻しました。大いに衰弱しています。 くるまれている毛布はダイナー2階の居住スペースで現地調達したものです。 前:Memories Off 投下順に読む 次:彼女たちが巡り会ったよくある奇遇(トゥエンティスリー) 前:Memories Off 時系列順に読む 次:i/doll 前:KICKSTART MY HEART 小早川紗枝 次:彼女たちにとって無残で悪趣味なトゥエンティーエイト 向井拓海 松永涼 白坂小梅 ▲上へ戻る
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目次 基本概念 「みんなのさくひん」でできること作品名検索、ユーザー検索 作品の閲覧、いいね かいぞう 基本概念 みんなのさくひんとは、プロゼミにおいて、作品をユーザーがインターネットに投稿することができ、不特定多数の人が、それら作品を自由に閲覧、いいねをすることができる機能である。また、運営が1ヶ月に一度のペースで、おすすめのさくひんを15作品掲示している。これにより、ユーザーを楽しませることのみならず、ユーザーがそれらの作品を参考にし、さらに良い作品が生まれる可能性があると考えている。 「みんなのさくひん」でできること みんなのさくひんでは、以下のことが可能である。 作品名検索、ユーザー検索 作品名検索、ユーザー検索ともに、特定の言葉を入力することでその範囲に絞って検索することができる。 ただし、作品検索では、短いワードであると作品が出てこない場合があり、また、作品名と検索欄の文字が一字一句合っていないといけない。 また、ユーザー検索でも、同じ名前の別の人物が出現する場合がある。 バージョン???でユーザーの要望により8文字のユーザーIDがすべてのみんなのさくひんを利用する人に振り分けられたが、ユーザーIDを用いてユーザー検索ができないため、それぞれのユーザーIDを記憶しておく必要がある。ユーザーID以外では、かいぞう元作品のアイコン(木のアイコン)で遡ることでも絞ることができる。 作品の閲覧、いいね みんなの作品に投稿された作品は、BANなどをされていない限り誰もが閲覧することができ、自分が気に入った作品にはいいねをし、いつでも作品を見返すことができる。 視聴数は、ユーザー1人ごとに1回だけカウントされるものではなく、同じ人が何回でも作品を見ることで、何回でも視聴数が増加していく。 いいねは、ユーザー1人ごとに1回だけカウントされる。また、いいねは解除することができ、そのときはいいねが1減る。プロゼミのユーザーは、作品の人気度を確かめるためにいいね率([いいね÷視聴率]×100)を求めることが多く、15%以上の作品はかなり人気度が高いと言われる。 かいぞう みんなのさくひんにある作品は、すべての作品を改造することができる。ただし、作品によっては、投稿者が改造した作品をシェアすることを設定で禁止している作品もあり、そのときは改造したものをみんなのさくひんにシェアすることができない。 改造した作品は、左下に木のアイコンが付き、そこから改造元の作品に遡ることができる。 今のみならず昔から、改造を悪用したなりすましやコピーシェア(作品の内容を一切変更せずにシェアすること)が多数発見されている。近頃には、改造した作品をプロゼミの内部コードで改造元に遡る木のマークを消す技術者もいる。 これに対し運営は、バージョン???でユーザーIDを追加し、しっかりとユーザーの区別をつけている。 なお、改造元に遡る昨日が追加されたのはバージョン???頃である。
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